仮面屋をオープンする前は、とにかく仕入れの心配をしていた。なにせ私は仮面がどこで作られ、どうやったら手に入るのか、何も知らなかった。唯一知っていることといえば、なんだかわからないが友達が仮面をつくっているということ。とはいえ、彼らだけに日々頑張ってもらうわけにもいかない。人間ができる作業には限界がある。そんな風に思っていたが、オープンしてからは、それらが杞憂だったのだとすぐにわかった。

 理由は2つある。

 仮面屋ですという顔で日々お店に座っていると

「仮面の値段はどうやって決めているんですか」

 とよく聞かれる。一言で答えよう。

 いくら私自身が「本のほうが欲しい」といったって、仮面屋としてあったほうがいい仮面というのはある。そういうものはもちろん、買い切りで仕入れをすることもある。それはどんなものかといえば、お店として偏りがないようにするためのものである。言い換えるならつまり「仮面屋らしさ」を担保するための仮面ということになるだろうか。

 私が取り扱っているのは作家の仮面が主だが、もちろん例外もある。「仮面の引き取り」がそれだ。なんでも収集する人というのは古今東西いたもので、もちろん仮面も例外ではない。仮面コレクターが集めた仮面の情報が、日々お店に届く。コレクションというものは大概、処分に困るものだ。本人が存命の内はまだよいが、故人になったとたん、どんなきらびやかなコレクションも家族にとってはゴミの山となる。そういう仮面を「引き取ってくれませんか」という連絡がうちに届く。なぜなら、仮面を引き取ってくれる場所なんてほかにないからだ。うちのお店では基本的にどんな仮面でも引き取っている。人形や、絵画や、アクセサリーや呪物みたいなものも届く。もしかしたら万が一にも仮面かもしれないから、そういうものも喜んで引き取る。私は仮面というものがなんだかわかっていないので、ちょっとでも仮面かもしれないものはとりあえずもらっておくことにしている。そうしたものを仮面屋においておくと、不思議なことにだんだん「これも仮面なのかもしれないな…」という気になってくる。

 私が営んでいるお店「仮面屋おもて」は、主に現代の作家が作った作品を扱うお店ということになっている。今をときめく新進気鋭の作家陣、もとい、私の友人たち。私の仮面屋生活は気のいい友達に支えられて成り立っている。「仮面作家」を名乗って仮面ばかり作っている変な人もいるが、おおむねほとんどの作家は別で仕事をしているか、仮面以外の作品も作るマルチアーティストだ。そのため仮面の素材も様々ある。絵画のようなキャンパス地にペイントしたものや、紙、焼き物、プラスチック、布やニット。変わったところだと植物や鰹節(!)まで、なんでもござれだ。アーティストにはそれぞれに得意な素材やテーマがあり、作品によって自分の世界をつくりあげていく。彼らは端的に言ってえらいと思う。ものをつくるひとは本当にえらい。私はそうした作家たちが魂を込めて作りだした作品たちを預かり、適当に店においているだけだ。

第13回 TOKYO MASK FESTIVAL 概要

日本最大級のマスクの展示即売会。マスク好きによるマスク好きのための祭典。マスク、覆面、仮面、かぶりもの、着ぐるみ、ヘルメット、オブジェクトヘッド、異形頭、甲冑、プロテクター、ゴーグル、その他なんでもありのオールジャンルイベント。

日程 2024年10月5日(土)
12:00-17:00
入場料1,000円(予約不要)※小学生以下は入場料無料(保護者同伴必須)
開催会場 東京都立産業貿易センター台東館
〒111-0033 東京都台東区花川戸2-6-5
アクセス 浅草駅 徒歩5分〜10分(東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武スカイツリーライン、つくばエクスプレス、都営バス、東京水辺ライン)

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